緑茶ときどきコーラ

35歳、独身、一人暮らし、ぼっち、低収入、友達少、退屈な日常

「犬神館の殺人」 月原渉  感想

近所の本屋を見ているときになんとなく気になった本。

 

 

 

タイトル

犬神館の殺人

 

作者

月原渉

 

内容紹介

 あなたは、わたしになる。密室こそが、救いだから。

その死体は、三重の密室の最奥に立っていた。異様な形で凍りついたまま……。そのとき犬神館では、奇怪な《犬の儀式》が行われていた。密室のすべての戸に、ギロチンが仕込まれ、儀式の参加者は自分の首を賭けて、〝人間鍵〟となる。鍵を開けるには、殺さねばならない。究極の密室論理。これは三年前に発生した事件の再現なのか。犯人からの不敵な挑戦状なのか。瞠目のミステリー。

(裏表紙より)

 

感想

三年前と現在で起こる似たような事件。凍った死体、宗教と儀式、多重密室。挿絵など現場の地図がなかったのでわかりずらいというか、僕のような想像力の乏しい人間にはなかなか難しいミステリーだった。仕組みは単純だと思うんだけどなんかね。

過去と現在を交互に進行していく。個人的には飽きずに読めて、それぞれの状況を考えながら比較しながら読むのは楽しめた。でもこういうの苦手な人も多そうかなと思う。

それにしても物語を進めていく使用人・シズカ、ずいぶん冷静に語っていくなーとは思っていたけど、過去との違いにそんな結末があったとは。犬の憑物ってのはまだ知られていなかった頃の精神病みたいなものだろうか。そういうのが発生しやすい一族で起こった悲劇ということか。

 

最後までシズカが冷静だったのは納得いったけど、妃夜子が冷静だったのが意外というか。昔良くしてもらった姉のような存在が亡くなり、その親友(顔見知り)も亡くなり…、と普通は落ち込みそうなものだし、事件について何か知っている風なシズカを責めそうなものだが。そんなところがふと最後は気になった。そういう人だと言われればそれまでなのだがw